iPhone 5s以前の「ゴールド」スマホたち

ゴールドは決してiPhoneだけのものじゃない!

iPhone 5が発表されたとき多くのファンが感じたのが、これでiPhoneはひとつの完成を迎えたということ。
4sの数少ない不満を解消したまさに究極のiPhoneと呼べるものであり、その次にさらなる驚きが待っていようとは当時は誰も考えていませんでした。

iPhone 5sでは指紋認証という現在のスタンダードになった機能が追加され、多くの人を驚かせましたね。
そして新機能以上に我々の度肝をぬいたのが「金色」というそれまでのアップルにない新色。

それまでは業界の覇者らしくシンプルにブラックとホワイトの2色のみでした。
上品で落ち着いた印象の、それまでのiPhoneのイメージとは正反対のゴールド!
ゴールドを持っている=最新のiPhoneを所持しているアイコンということで、数多くの人が5s購入の際にこの色を選択したように思います。

それから他のメーカーもこぞってゴールドをラインナップに加えたわけですが、5s登場前にもけっこうな数のスマホに金のカラバリがあったのはご存知ですか?
今回はそんな”ゴールドラッシュ”以前に発売されていた金色スマホをご紹介します。

※なお、スマホの定義に関して本記事ではAndroid搭載スマートフォンのことと致します。



MEDIAS WP N-06C
http://kakaku.com/item/K0000251259/images/より引用

NEC初のスマートフォンであるN-04Cの後継機がこのMEDIAS WP N-06Cです。
前機種とくらべて大きな変化は防水機能が追加されたこと。
名前のWPはウォーター・プルーフの略だと思われます。
AndroidにはiPhone 5s発売の2年以上前からゴールドカラーモデルが存在していたんですね。
派手になりがちなゴールドスマホの中では落ち着いた色合いで、洗練されたデザインともよく合っており好印象。
ちなみにカラーの正式名称はChampagne Goldらしいです。



F-12C
http://kakaku.com/item/K0000251267/images/より引用

富士通ブランド初のスマートフォンがこのF-12C。まだARROWSと名乗っていない頃の珍しい一品です。
というか、何かしらのブランド名を冠していないのはこの端末とビジネススマートフォンF-04Fの二つだけだったり。
イギリスのトラベルケースブランド、グローブ・トロッターとコラボしたデザインが最大の特徴。
5000台限定の特別モデルではトラベルケースに使われている素材と同じ材質のバックカバーが付属していました(これを装着した場合防水機能がなくなります)。
ゴールドの正式名称はRose Goldで、このカラーのみ背面にヘリンボーン柄が刻まれています。



AQUOS PHONE THE PREMIUM 009SH
http://kakaku.com/item/K0000272483/images/より引用

兄弟機種である006SHから、3D撮影用のツインレンズを廃止した代わりに質感を高めたバージョン。
当時はまだまだプラスチッキーなAndroid端末が多いなか、抜きんでたデザイン質感を持っていました。実際、家電量販店で見かけた際にとてもかっこいいと感じた記憶があります。
カラー名はプレシャスゴールド。またYahooとコラボしたYahoo! Phone 009SH Yという特別モデルもありました。こちらの色はホワイトのみ。

余談ですが当時のシャープはかなり多くのスマホを提供していました。
本機種の兄弟たちは以下のとおり。
・Yahoo! Phone 009SH Y (前述のコラボモデル)
・SoftBank 006SH (元になった機種)
・AQUOS PHONE SH-12C (006SHのドコモ版)
・AQUOS PHONE IS12SH (006SHのau版)
性能はどれも横並びで、カメラやデザイン等で差別化されています。
型番違いで各キャリアに提供している現在とは隔世の感がありますね。



Xperia ray SO-03C
http://kakaku.com/item/K0000278970/images/より引用

コンパクト好きの人間にとってXperiaは「大画面スマホ砂漠」に残された唯一のオアシスですが、その始祖に当たるのがこのモデル。画面サイズはなんと約3.3インチです。
当時としてもこれだけ小型なのは珍しく、かなり人気がありました。
スペックがフラッグシップモデルのXperia arcとほぼ同等だったのも人気の秘訣。
小柄ながらスペック重視の伝統は最近のXperia Z5 Compactまで続いていましたね。

カラー名称はGoldです。そのまんま。
ところで、この機種は色についてある物議をかもしたことでも知られています。
日本国内モデルのみ、ラインナップにブラックが無かったのです。
ソニー(当時はソニー・エリクソン)とドコモは本機種を女性向けと位置付けており、海外機種では存在したブラックをラインナップから外してしまいました。
ゴールド、ピンク、ホワイトの3種類しか日本では提供されなかったんです。
そのため多くの男性ユーザーは海外から並行輸入したり、黒のバックカバーを購入して国内モデルに装着したりする羽目になりました…。
普通はホワイトと並び定番カラーのブラックですが、その「あたりまえ」の大切さを思い出した事件(?)だった気がします。



LUMIX Phone P-02D ・ LUMIX Phone 101P
http://kakaku.com/item/K0000302316/images/より引用

※画像はP-02Dのもの
スマートフォン市場にやや遅れて参入したパナソニックの端末です。
ほぼ同一の機種がドコモとソフトバンクの両キャリアから提供されました。
最大のウリは背面でこれでもかと主張しているデザインから分かるように、美麗なカメラ性能。
もっともこれは本当にただのデザインでデジカメのようにズームで伸縮したりはしません。
カラーの正式名称はP-02D:ゴールド/101P:メロウゴールド。本物のLUMIXを彷彿とさせる見事な色合いです。

パナソニック製のスマホにおいてブランドネームがついたのは本端末の「ルミックスフォン」が始めてでもあります。
動作がモッサリなことでも知られ、某雑誌では「まるで試作機を触っているようだ」と揶揄されていました。
実際、初代の端末(通称ワンハンドスイスイ)からしばらくの間パナ製スマホは評判が悪く、101Pもカメラがウリ、というよりもむしろカメラしか評価できるところが無いといった方が正しい始末。
パナ製スマホの成熟はもう少し後になってから。具体的にはELUGAとブランド名を変更した前後からですね。
さらにその後にはスマホ市場から撤退してしまいますが…(;'∀')



F-09D ANTEPRIMA
http://kakaku.com/item/J0000005307/images/より引用

イタリアの女性向けファッションブランドANTEPRIMA(アンテプリマ)とのコラボモデル。
過去にはガラケーでもコラボしていたようです(docomo STYLE series F-02C)。
一目見ただけでわかる、キラッキラな女性専用デザインが特徴。
ブランド名入りのアクセサリーが付属したりホームボタンが花の形をしていたりと、かなり凝った仕上がりですね。
面白いのは本体色の扱いで、この機種のゴールドはただのカラバリではなく、ブランドのイメージカラーが由来となっています。

物理キーが光るのは男の私からみても魅力的だと思います。
もっと流行ってもよかったと思うんですが、いかがでしょう?



ELUGA V P-06D
http://kakaku.com/item/K0000375540/images/より引用

パナソニックの帰国子女ブランド、ELUGAシリーズの第一弾がこのELUGA V。
国内で苦戦したため、パナソニックは一度海外でスマホ事業を展開していましたが、これを逆輸入したのがこのELUGAシリーズでした。
ウリは他のパナソニック製品(LUMIXやビエラ等)の技術を反映したことや、レコーダー(DIGA)との連携など、いかにも国内メーカーのスマートフォンといった印象。
同時にフラッグシップのELUGA power P-07Dも発表され、このP-06Dはミドルレンジにあたります。なのでpowerはドコモNEXTシリーズ、Vがドコモwithシリーズにそれぞれラインナップされていました。
といいつつスペックはかなり似通っていて、主な相違点はXi対応の有無、画面サイズの違い程度。
本端末はXi非対応、画面サイズは4.6インチとなっています。
発売された2012年はちょうどFOMA(3G)からXi(LTE)に移行する過渡期でしたから、それなりのスペックを備えた3G端末の本機種は、わりと貴重な存在でもあります。



らくらくスマートフォン F-12D
http://kakaku.com/item/J0000005319/images/より引用
現在まで続く「らくらくスマホ」シリーズ、その初代の端末です。本機種はスマートフォンに不慣れなシニア世代をメインターゲットに開発されました。「らくらく」シリーズはガラケー時代のらくらくホンから長い歴史がありまして、初のスマートフォン版というわけですね。

シニア向けの携帯電話といえばスーツを連想させる紺色、若者っぽくはないピンク、そして(購買層が好むであろう)ベージュに近いゴールド、この3色が圧倒的に多いです。
これまで触れてきませんでしたが、iPhone 5s登場以前の携帯電話業界ではこのように「ゴールド=女性・老人向けの色」という考え方が支配的でした。
そのため色合いやボディへの配色もこれを意識した感じ。
若い男性が使える金色スマホはなかなか出てきませんでした。
らくらくスマホはそういう意味で当時のカラーイメージを象徴する存在だということができます。



ARROWS ef FJL21
http://kakaku.com/item/K0000428837/images/より引用

はっきりとは言及されませんが、フラッグシップ=男性向け、ミドルレンジ=女性向けという区分けが当時のスマホ業界にはありました。
ARROWSシリーズはこれが顕著で、大型でハイエンドの男性向けモデルと小型でローエンドの女性向けモデルがはっきりわかるようになっていました。
どう見てもユーザーの年代・性別が限定される独特のデザインがそれを物語っています。

そんななか本機種はハイスペックなのに女性受けを目指した珍しいARROWS。カラバリは3色で、ブラックと水色、そしてこのピンクゴールドとなっています。
ブラック以外は明らかに女性向けの色合い(男性客を逃がさないための担保としてブラックが用意されるのは、携帯電話業界ではよくあること)です。
これまでの区分を無視した一挙両得の姿勢がうかがえますね。
実はFJL21と同時期に登場したドコモのARROWS kiss F-03Eを最後に、富士通は女性向けローエンド端末の開発をストップしています。
背景には数々の不具合による減収があったことは想像にかたくありません。

スペックは当時からしても普通ですね。デザイン面は全体的にARROWS共通の意匠ではあるもの、ややおとなしめの印象です。
ぶっちゃけ地味な本機種ですが、機能を見ると意外なほど特徴があります。
ARROWS初のNFC決済機能を搭載していますし、初のオンスクリーンキー採用ARROWSでもあるんですね。
これ以降のARROWSは基本的にすべてオンスクリーンキーを搭載。
上記の方針転換の件も含めると、本端末は現在までのシリーズデザインを決定づけた存在、ターニングポイントになったARROWSということができます。



SH-01E Vivienne Westwood
http://kakaku.com/item/K0000411661/images/より引用

数あるスマホの中でも管理人がトップクラスに好きなデザインです。
iPhoneともXperiaとも違うデザインかつ優雅でまとまっているのは見事としか言いようがありません。残念ながら同系統のデザインは本機と後継のAQUOS PHONE si SH-07Eの二つしか発売されなかったんですけど…。SH-07EはSH-01Eのディスプレイを16:9の縦長にしたモデルで、iPhoneに例えるとiPhone 4に対するiPhone 5のようなスマホでした。

コンパクトで持ちやすいのも好印象です。お店のモックアップしか触ったことはありませんが…(苦笑) なんでシャープはこのデザインを早々と止めてしまったの…三面今日額縁デザインも好きですけどね。

ゴールドが存在するのはSH-01Eがイギリスのファッションブランド、ヴィヴィアンウエストウッドとコラボしたモデル(限定30000台)になります。
正直これをゴールドと呼んでいいのかわかりませんけど。カラーの名前もOrb Camouflage(オーブ迷彩)であり金色とは言ってません(笑) ちなみにこのオーブとはヴィヴィアンウエストウッドのシンボルマークのこと。



PANTONE 6 200SH

やたらとカラバリが豊富なことで知られるPANTONEシリーズのスマートフォンです。
その中でもこのPANTONE 6はシリーズ史上最多の25色というのだから驚きです。
もっともコストの関係でカラーが異なるのはバックカバーのみで、一部がホワイト、その他はブラックが本体色になっています。なので今回ご紹介するゴールドカラーの本体正面もブラック。

私はずっとドコモユーザーですのであまりこのシリーズについては知らなかったのですが、この”PANTONE”って色見本帳(とその企業名)のことなんですね。
つまりこのPANTONEシリーズはカラーバリエーションそれ自体が製品のウリであり特徴といえます。
製造はシャープで、4つ並んだ独自のオンスクリーンキーや背面のカメラ配置からもそれがうかがえます。



ELUGA P P-03E
http://kakaku.com/item/K0000510267/images/より引用

パナソニック製最後のスマートフォンです。悲しい。

独特のボディラインを志向してきたELUGAにしてはおとなしめのデザイン。
ホームボタンと相まって「でかいiPhone」というのが当時の正直な感想でしたね。
やたらとジルコニアキーという名のホームボタンを推していたせいか、今でもこの単語が頭から離れません(笑)

壮年のガラケーユーザーからの乗り換えをメインターゲットにしていたようです。
スペック的にもなかなかのものですが、ターゲット層のせいかガラケーとの親和性を中心に宣伝していました。
具体的にはシンプルホームや文字入力方法です。
ガラケーの下部をそのまま画面に写したようなキーボードが非常に印象的でした。
カラーのゴールドもらくらくスマホと似たような理由で採用されたんだと思います。



AQUOS PHONE ss 205SH
http://kakaku.com/item/K0000506012/images/より引用

iPhone 5s登場の約半年前にリリースされたソフトバンクのスマホです。
最大の特徴は放射線測定機能が搭載されていること。
実は205SHが初めてではなく前身にあたるPANTONE 5からの機能です。
まだ5年しか経っていませんが、たしかに当時はそういう時代でした。
本当にガイガーカウンターのようなもの(メーカーはガイガーカウンターとは違う機器と明言している)が必要かどうか、私にはとても判断できませんが、107SHの出た当時は衝撃を受けたことを覚えています。
日本という国がそういう場所になったんだなと思い知らされましたし、当時一番の注目を集めていたスマートフォンのオマケに放射線測定器が付属するという違和感もありました。
ですがこうした機能が本当に必要な場合、常に持ち歩くスマホという機械に付属しているのは理に適っている気もします。
シャープが一時期、製品になんでもかんでもプラズマクラスターを搭載していたことを想起させますね。

この機種はその107SHから順当にスペックアップした後継機となっていますが、一方でPANTONEのブランド名は引き継いでおらず、AQUOS PHONEシリーズに吸収されました。
まあ多数のカラバリを揃えるのがコストに見合っていなかったのかもしれません。
当時からソフトバンクではiPhone一強状態が続いていましたからね。



らくらくスマートフォン2 F-08E
http://kakaku.com/item/J0000008240/images/より引用

らくらくスマホの第2弾がこちら。なんと本機種がiPhone 5s発売に一番近いスマホです。もっとも、次期iPhoneにゴールド追加の噂とは十中八九無関係でしょう(笑)

せっかくなのでらくらくスマホについて記述をもう少し。
このシリーズは年配のユーザー向けに各種カスタマイズされていることはいうまでもありませんが、シリーズ共通の非常に大きな特徴がありまして、それは「Google Play」にアクセスできないということ。つまりandroidでありながら一切アプリが追加できないのです。
それどころかGoogleのサービスは一つも使えません。
現在からみれば欠陥としか思えませんが、Playストアはアップルに比べて審査がゆるく、危険なアプリも多いため一概に欠点とも言い切れません。
むしろ開発者は苦渋の決断を下したように思います。
まあそういった特徴があるため、「シニア向けスマホ」よりも「スマホ風のらくらくホン」といった方が正しいでしょう。
失礼な話、この端末は若者と同じようにタッチパネルを操作してみたい人、もっと悪く言えば「スマホごっこ」を楽しみたい人向けなんだなと発表当時は感じました。

なお現在のところ、同シリーズでは2013年発売の「らくらくスマートフォンプレミアム F-09E」のみGoogle Playに対応しています。




まとめ

数にして16機種でした。見事なまでに国内メーカーに限定されていますね。
ゴールドが流行る!との先見の明があった!?…わけではなく、ガラケー時代から続く日本独自の需要によるものが大きいようです。
iPhone 5s以降の男性でもゴールドが一般的になった現在の目からみると「意外と悪くないじゃん!」と思わせるテイストのカラーも多いですね。

本ブログではこういった記事をこれからも書いていく予定です。
良かったらまたチェックしてみてください。

それでは、次の記事でお会いしましょう!


画像引用元:価格.com http://kakaku.com/
参考サイト:スマートフォンデータベース http://smartphone.ultra-zone.net/

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