スマホ3大キャリアの通信料金はどうして高いのか。その最大の理由とは

最近「格安スマホ」が大きく話題になっています。
これまでの月額料金の半分以下で同じようにスマートフォンが持てるだなんて驚きですよね。

逆になぜ今までの携帯会社(ドコモ・au・ソフトバンク)はあんなに高かったんだろうと思ったことはありませんか?

今回はこの疑問についてご説明いたします。

※(筆者はドコモユーザーなので各サービスはドコモの呼称に統一させていただいております。au、ソフトバンクにも同系サービスはあるかと思いますので適宜読み替えてご覧になってもらえると幸いです)




端末購入サポートが上乗せされている

まずは有名な話。
キャリアのスマートフォンはiPhoneをはじめとしてハイエンド端末が中心です。もっとも高額になると15万円代に迫るものが存在します。
当然これだけ高価だと買う人も限られそうなのものですが、現実には多くの人がiPhone等の超高級スマートフォンを手にしています。
ここで登場するのが「端末購入サポート」というカラクリでして、2年間契約し続けることを条件に、端末代のおよそ半分を代わって負担してもらえる(実質的に強制の)サービスです。
でも高級機を半額で提供するなんて気前のいいことがタダでできるはずはありません。

いったいその原資はどこにあるのか?それは次に見る、高い値段設定の通信料にあります。


カケホーダイの強制


スマホの月額料金が高い理由のひとつは高い基本通話料です。
通話してもしなくても絶対に取られる、いわば「電話を使うための権利」の代金なわけですが、これがやけに高い。
ドコモでスマホを持つ場合、特殊なユーザー(シェアプラン・シンプルプラン)を除き最低料金は1700円です。
通常、基本料というのは700~1000円が相場ですが、なぜかスマホユーザーだけ2000円弱の「10分間通話し放題プラン(10分カケホーダイ)」しか選べないようになっているのです。

スマホユーザーであればほとんどの人はLINEFace timeを使っていますよね?
これがドコモには気に食わないのです。

従来、携帯キャリア会社は収益のほとんどを通話料でまかなっていました。ガラケー時代に恋人や友人と長話し過ぎて、あとから請求書を見て後悔した!なんていう人も多いでしょう。
それがスマホ時代になると通用しなくなったんですね。
LINEやFace timeの音声通話は「iP電話」と呼ばれるもので、データ通信さえあれば電話ができるという技術です。これはつまりデータ契約さえしていれば何時間でも無料で通話できるということです。

キャリアはたまったものではありません。

だからこれまで頑なに拒んできたはずの「完全通話し放題プラン(3000円程度)」を相次いで各社が解禁し、それを契約したくなくても「10分間通話し放題プラン(2000円程度)」は強制することにしたのです。


一方、格安SIM業者の相場は700円ほど。
もちろん10分カケホーダイは尽きませんが+800円で同等サービスを付加することが可能な業者が多いです。
キャリアの10分カケホーダイプランとほぼ同額ですね。
格安SIMならば必要な人は同額で付加することができるし、不要な人は付けないという(当たり前の)ことができるわけです。

以上から、キャリアが高い理由のひとつに使わない通話プランの強制があると言えます。




当て馬でしかない”最安”データプラン

電話代と対をなすデータ代についても触れておきましょう。

ドコモを例にすると、現在選べる契約プランは段階制のベーシックプラン・ウルトラデータLパック・ウルトラデータLLパックの合計3種類です。
このうち最も安いのはベーシックパックを1GBまでしか使わなかった場合の2900円となっています。
https://www.nttdocomo.co.jp/charge/packet_service/datapack/より
上の図を見てどう感じるでしょうか。

1GBのくせにやけに高いな、これなら3GB使ったほうがお得だな…。いや、それならいっそ5GBのほうがGBあたりで換算すると安くなるな…。
と思いませんでしたか?

これがまさにドコモの「狙い」で、あえて大して得でもない商品も提示することにより、相対的に上位商品がお得に見えるという寸法です。これをフレーミング効果といいます。

「松竹梅の中で一番売れるのは竹」で知られるあの法則のことを専門用語ではこう呼ぶのですね。


要するに、キャリアはそもそも最も安くなる料金を目当てにして契約するところではないんです。
値付けの根拠がフレーミング効果に基づいており、最小構成の存在意義が「竹」「松」を選ばせるための当て馬でしかないのですから。

格安SIMなら1GBは500円、3GBでも900円から1000円程度ですよ!
節約だといってドコモのスマホで通信しないようにするのがバカらしくなってきます。




結論

いかがだったでしょうか。
結論としては
高い理由は単純に、通信料の個々の単価が高いから。使わないカケホーダイは強制で、データ契約はフレーミング効果に利用するため不当なまでに高額になっている。
これらは高額なハイエンドスマートフォンの原資に充てるために設定されている。
ということになります。

逆に言えばほとんどハイエンドスマホしか取り揃えていない理由は「高い通信費をごまかす」目的でもあるわけです。

もちろん誰もが今すぐキャリアとの契約をやめるべき!と言いたいのではありません。iPhone Xのようなハイエンド機を欲しい方にとってキャリアは良い選択だと思います。

ただ昔の私のように、キャリア契約の中でアレコレ安くする工夫をするくらいなら、格安SIMのほうがずっとお得だよーと伝えたい。
見てきたようにキャリアでは絶対に安くできないカラクリがありますからね。

今回はこのへんで。また次の記事でお会いしましょう!

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